歯並びがガタガタしていたり、上下のあごの歯並びがお互いにちゃんと噛み合わない状態を「不正咬合」といいます。この不正咬合をそのままにしておくと、

• 正常な呼吸ができない（呼吸）
• 食べ物がよく噛めない（咀嚼）
• 食べ物がよく飲み込めない（嚥下）
• ことばが明瞭でなくなる（発音）
• むし歯になりやすい
• 歯周病になりやすい
• 口臭の原因になる
• あごの関節に負担をかける
• 歯を折ったり、ケガをしやすい
• 笑顔に自信がもてない

などの問題がでてきます。

八重歯・乱杭菌（叢生 / そうせい）

すきっ歯（空隙歯列 / くうげきしれつ）

出っ歯（上顎前突 / じょうがくぜんとつ）

受け口（下顎前突 / かがくぜんとつ）

前歯が閉じない（開咬 / かいこう）

深い噛み合わせ（過蓋咬合 / かがいこうごう）

交叉咬合（こうさこうごう）

上下の歯を噛み合わせた時に、上の奥歯が下の奥歯よりも内側にあり、上下の奥歯が逆の嚙み合わせをしている症状です。

鋏状咬合（はさみじょうこうごう）

「シザーバイト」とも呼ばれ、上の奥歯が外側にズレ、下の奥歯が内側にズレていることで、上下の歯を噛み合わせた時に、奥歯がすれ違い、しっかり噛み合わない症状です。

永久歯列期の矯正治療の種類は、大きく２つに分かれます。
「歯にブラケットを接着するマルチブラケット治療」と「取り外しが可能なマウスピースの治療」です。
マルチブラケット装置は、ブラケットを歯の表側に付ける治療と、裏側に付ける治療（舌側矯正）があります。さらに表側に付ける治療は、ブラケットの種類とアーチワイヤーの種類の組み合わせによって、目立つ装置から目立ちにくい装置がございます。
裏側に付ける治療（舌側矯正）は、見えない所に装置が付いていますので、ブラケットやワイヤーはほとんど見えませんので、矯正治療をしていることが、他人から気付かれません。

メタルブラケット＋シルバーワイヤー

金属製のブラケット（メタルブラケット）を歯の表面に接着し、それらをシルバーのワイヤーで連結して歯を適切な位置に移動させます。この方法は強度があり、効果的に歯並びを矯正することができます。

審美ブラケット＋シルバーワイヤー

目立ちにくい審美ブラケットを歯の表面に接着し、シルバーのワイヤーで連結して歯を適切な位置に移動させます。この方法は、見た目に配慮しつつ、効果的に歯並びを矯正することができます。

審美ブラケット＋ゴールドワイヤー

目立ちにくい審美ブラケットを歯の表面に接着し、ゴールドのワイヤーで連結して歯を適切な位置に移動させます。ゴールドワイヤーは、シルバーワイヤーと比べて目立ちにくく、高級感があるため、審美性を重視する方に人気です。この方法は、見た目に配慮しながらも効果的に歯並びを矯正することができます。

審美ブラケット＋ホワイトワイヤー

目立ちにくい審美ブラケットを歯の表面に接着し、ホワイトのワイヤーで連結して歯を適切な位置に移動させます。審美ブラケットとホワイトのアーチワイヤーの組み合わせは、最も目立たないラビアル（唇側）の矯正装置です。

小児矯正には、「第一期治療」と「第二期治療」があります。
「第一期治療」では、永久歯がきれいに生えるように、あごの成長をコントロールします。受け口や出っ歯の改善、上下のあごのバランスを整えることを目指します。また、口呼吸や指しゃぶり、舌の癖などを早い段階で改善します。
「第二期治療」は、永久歯が生えそろった後に行います。ブラケットとワイヤーを使った治療で、基本的には大人の矯正治療と同じです。

01.子供から始めるメリット

できるだけ早い年齢に受診していただくことで、お子さまが最小の治療期間と費用で最大の効果を得るために、最適な治療時期や方法をご提案できます。早く治療を始めることで、顔やあごの成長が終了してからでは難しい治療も可能になります。実際に、歯を抜かずに治療できたり、抜く本数を減らすことができます。
また、顔やあごの成長をコントロールすることで、本来なら手術が必要な治療を回避することもできる場合があります。

• 歯科的疾患（虫歯、歯肉炎、歯槽膿漏）の予防
• 顎骨の成長発育障害の予防
• 咀嚼機能の改善と維持
• 口唇閉鎖不全の改善
• 発音の改善
• 顎関節と咬合の調和
• バランスや運動能力の改善
• 一般歯科治療を行うために必要な歯牙移動

02.矯正治療を始める時期は？

矯正治療を始めるタイミングは、その子の状況によって異なりますが、小学1年生ぐらいが一つの目安だと思います。矯正歯科医の先生の中には、できるだけ早く始める方が良いと言う方もいますが、治療の開始時期は個々の状況によってさまざまです。

例えば、小学1年生ぐらいで治療が必要な子もいれば、もう少し大きくなって小学6年生ぐらいで始めても十分な場合もあります。逆に、小学6年生や中学生ぐらいで治療を希望する子の場合、「もう少し早く来てくれたら良かったのに」と思うこともあります。また、少ないですが5歳、6歳に開始する必要がある場合もあります。

そのため、いつ治療を始めればいいのかは、その子によって大きく違ってきます。相談するタイミングとしては、小学1年生になったら「矯正は必要なの？」「いつ始めればいいの？」といった気になることを矯正歯科医に相談することをお勧めします。

乳歯列期から始める治療

乳歯列期から治療を始めるのは、長期的な通院が必要になり、肉体的にも精神的にも負担が大きいのであまりお勧めできません。ただし、舌を突き出す癖や指しゃぶりがやめられないなど、将来的にかみ合わせに悪影響が出そうな癖がある場合は、それらを改善するためのアドバイスを受けることができます。通院は半年～1年に一度、経過を観察する程度で済むことが多いです。ただし、症状によってはこの時期に治療を開始しなければならない場合もあります。

混合歯列期から始める治療 1

この時期は顎骨の成長期なので、骨格の改善が必要な方は治療を始めます。前歯の反対咬合を改善したり、永久歯が生えるスペースを確保する治療が多いです。この時期に行う治療を「1期治療」と言います。軽度の不正咬合の人は1期治療だけで治療が終了することもあります。1期治療だけで終わる人もいれば、その後、永久歯がすべて生え揃うまで経過観察を続け、永久歯列期に本格的な矯正治療（2期治療）を開始する人もいます。

混合歯列期から始める治療 2

1期治療が終わった後、すべて永久歯に変わるまで経過観察を続け、永久歯が生え揃ったら本格的な矯正治療（2期治療）を始める人もいます。1期治療をすることで、2期治療が短期間で終わったり、より効果的に行えたりすることがあります。

永久歯列期から始める治療

この時期を過ぎると、顎骨の成長は落ち着いてくるので、骨格の矯正は難しくなります。しかし、その分歯の移動計画が立てやすくなるのも事実です。また、この頃には見た目を気にし始めるので、自分から進んで矯正治療に取り組む人が増えてきます。

成人してから始める治療

この時期は、あごの骨の成長がほぼ終わっている時期です。あごの手術が必要な場合や、手術が必要かどうか判断が難しい症状の場合は、あごの成長が終わるまで観察し、その後に矯正治療を始める方が良いこともあります。あごの成長は、女性は16歳ごろ、男性は18歳ごろにほぼ終了します。

大人の場合は、すでに成長が止まっているので、あごの大きさが完成しているのをベースに治療を行います。そのため、あごの大きさに対して歯が並びきらずデコボコしている場合や、歯列が出ている場合には、歯を抜くことがあります（多くは犬歯の後ろの第一小臼歯）。抜いたスペースを利用して歯列をきれいに並べたり、前歯を後方に移動したりします。

01.大人の矯正治療のメリット

大人の患者さんは自分で治療を選んで始めるため、矯正治療に対するモチベーションが高く、協力的です。そのため、子どもに比べて虫歯になりにくく、より良い治療結果に達しやすい傾向があります。

• 歯科的疾患（虫歯、歯肉炎、歯槽膿漏）の予防
• 一般歯科治療を行うために必要な歯牙移動
• 咀嚼機能の改善と維持
• 口唇閉鎖不全の改善
• 発音の改善
• 顎関節と咬合の調和
• バランスや運動能力の改善

02.何歳まで矯正治療を受けられるの？

歯と歯周組織の健康が保たれていれば、何歳でも矯正治療を受けられます。また、歯周病が進行していないか、改善の見込みがあれば問題ありません。ただし、大人の場合、あごの骨の成長が終わっているので、骨の新陳代謝が悪く、歯の移動に時間がかかることがあります。いずれにせよ、症状や年齢に応じて最適な治療目標を立てて治療を行います。

03.治療期間はどのくらいかかりますか？

歯を積極的に動かしてかみ合わせ全体を整える期間は、一般的に「約2年」が目安です。その後、取り外し可能なマウスピースやプレートなどでかみ合わせを安定させる保定が必要になります。実際には、歯を抜いて治療する場合や一部分だけの矯正治療をする場合など、一人ひとりの歯並びの状態によって治療期間は異なります。

患者さまのお悩みについて十分に話し合い、治療について検討していただいたうえで、治療を始める決心がついたら精密検査に進みます。検査では歯型を取ったり、顔や口の写真やレントゲンを撮影して診察を行います。検査結果に基づいた治療方針の詳細をご説明し、納得していただいてから治療を開始します。

装置を装着した後は、歯の動きに合わせてワイヤーやパワーチェーンなどを違和感がないように調整します。その後は、きれいな歯並びを保つために保定装置（リテーナー）を使用して、長期的に治療を行います。

01.子供の矯正歯科治療の進め方

02.大人の矯正歯科治療の進め方

03.矯正歯科治療料金規定

本院の矯正治療に際して下記の料金を申し受けることになっております。よくお読みになり、ご不明な点については担当医などに十分お聞き下さい。なお、口蓋裂や外科手術を伴う顎変形症などの特殊な場合を除いて矯正歯科治療には健康保険は適応されません。

１）矯正相談…￥5,500（税込）

患者さまを交え、歯並びについて相談をお受けします。

２）検査・診断…￥55,000（税込）

矯正治療を始めるにあたり、エックス線写真、口腔内模型など様々な資料で詳しく調べ、それをもとに治療計画（治療期間、使用装置、費用等）を決定し、ご説明いたします。

３）矯正治療

・第一期治療（混合歯列期）…￥385,000（税込）

・第二期治療（永久歯列期）…￥880,000（税込）

（矯正治療費の分割納入も可能）

４）処置費…￥5,500（税込）

毎回の来院時にお支払い願います。

５）定期管理（チェック）…￥5,500（税込）

歯の抜去あるいは矯正治療期間中に生じた虫歯などに対する治療費は上記に含まれません。また、患者様の不注意で装置を破損、紛失した場合は、修理費、あるいは再生料を別途申し受けることがあります。なお、いったん納入された料金は理由の如何を問わずお返し出来ませんので、引越しなどの居住地の変更が考えられる場合は予めご相談ください。